2023年12月7日(木)。
昨日のイラスト。
豚と言えば、まず豚肉。ビタミンB群の王様のイメージ。
生姜焼きも大好きだが、豚キムチ炒めの組み合わせも最高だ。
豚肉料理の思い出。撮影所で働いていた時、むかいの老夫妻の食堂。
一番人気の『ポークエッグ』というメニューがあって、美味しくてよく注文した。
豚の薄切りロース3枚を塩胡椒でしっかり焼いて、そこにとき卵を流し入れて卵は半熟などお好みの焼き加減を申告だった。黒粒胡椒は多めにかかっていた。
当時はメジャーな料理かと思っていたけど、老夫妻のオリジナルだった。ポークピカタからヒントを得たのかな?
「ポークエッグ」と検索してみると、沖縄のスパムを使った卵料理が沢山出てくる。
「エッグポーク」だと、焼いた豚肉に半熟の目玉焼きがのっているような料理らしい。
21歳から働いた撮影所時代の話し。
厳しくてとても怖いベテランの職人さんから、お昼ご飯に誘われると断れなかった。
その人についていくと、決まってその老夫妻の食堂だった。
その人は何か話しかけてくるわけではなく・・・黙って新聞を読み、私はテレビをボーっと見ながら『ポークエッグ』を待った。週に一度くらいの頻度で誘われて、その人も私も必ず『ポークエッグ』だった。
私にとっては『ポークエッグ』が美味しいことだけが救いで、休憩中も気が休まらないのが残念だった。
その当時の撮影所は雰囲気も仕事も、甘い若者の私にはとても厳しい現実で・・・仕事を覚える以外にも、強烈な個性豊かなおじさん達それぞれに気を遣う事も多過ぎて、余裕が無くほぼ何も考えられなかった。毎日目の前の事に必死だったと思う。
今思えば・・・その人からの週一回のランチのお誘いは、私への思い遣りだったのだと感じる。
私はそこでは初の女性雇用だったらしいので、最初はお試しアルバイトでの採用だった。「きついからどうせ続かないだろう」と思われているのを面接で感じた。
確かに、撮影現場は怒鳴られ・八つ当たりされ・裏では叩かれてる人もいたし、ある程度の力仕事や、徹夜続きなどが耐えられないと続かない。どこでも同じだが、上下社会で上の言う事は絶対で、明日までに作り直しだから徹夜とか、なのにやっぱり使わないとか、それでもめげていられないくらい忙しかった。
女性だからと甘く育てると、現場のためにも・私のためにも良くないので最初の1年は凄く厳しかった記憶。今だから色々振り返れる。
その人は、私が怒鳴られながらも辞めずに頑張っているのを認めてくれていて、ご褒美ランチをご馳走してくださってたんじゃないのかな。。。あとは、頑張れ!ついてこい!というエールの気持ちだったのでは。。。
優しい言葉はなかったけど、おそらく当たっていると思う。
働いて1年を過ぎた頃には、新人君に教える役に成長した私がいた。そのころには、その人にランチに誘われても気分じゃなければ、「今日は1人で寂しく行ってきてくださーい!」と断れるくらいたくましくなっていた。断ると、その人も「ふられた~!!」と笑い合う関係になっていた。職人さんたちには、まずは実技よりも根性を見せ続けられるかが信用に繋がる事を学んだ。
社会人1年生の出来事。
今の時代は整備されてきているから、撮影所の現場も穏やかで爽やか?なのかな。
当時の私が知る現場は3Kだった。【厳しい・キツイ・(結構)汚い】
そういう職場から私は作られた。原点になってる。
仕事の厳しさ・社会の厳しさ・モノづくりに関わる人たちの必死さ・・・自分で選択することの難しさ。
誰でもが社会のどこかで感じていることだ。
懐かしい想い出を記せて良かった。
今となっては、その当時のおじさんより私の方がかなり年上だ。
今どこで何をされているかわからないけど・・・ありがとうございました。
色々思い出すのも大切だと、今日改めて思った。
その時ではわからなかった人の気持ち、考えに及ばなかった事が、今になってわかる事が沢山ある。